「おやつ食べ比べ」の打ち合わせにて。
どの国のおやつの話をしていても、「あ、それタイにもある!」「違う名前だけどインドネシアでも食べるよ」などなど、各国の共通点が次から次へと出てくる。
なかでもおもしろかったのが、パイナップルタルト。同じようで違う、違うようで似ている。そもそもこのお菓子、アジアというより西洋菓子風。そういえば、小麦粉っていつから食べてるんだろう?パイナップルの原産地は??
こうなると、もう止まらない。
シンガポールのパイナップルタルトは店によって形も味もさまざま。(photo by Takashima)
「そういえば、インドネシアのパイナップルタルトはチーズを入れるんだけど、ゴーダとかエダムとか、オランダのチーズなんだよね」(浅野)。この発言にはっとする。シンガポールの有名なお菓子屋さん、ブンガワンソロのパイナップルタルトもなんとなくチーズ風味。店名もインドネシアの川の名前だし、創始者はインドネシア人の女性だよね?でも、同じシンガポールでも、小さなパン屋さんで買っていたパイナップルタルトはクローブが効いた大人の味だった。他の国は?
マラッカではあちこちでパイナップルタルトを焼く光景が。(photo by Takashima)
「マレーシアはクローブ風味が基本。『お菓子といえばニョニャ』というのもマレーシアの常識で、プラナカン以外の中国系やマレー系もニョニャのお菓子が大好き」(古川)。
「インドネシアは味付けにクローブは使わない」(浅野)。モルッカ諸島が原産地なのに!「まるごと飾りには使うけど・・」。なるほど、使う量を考えるとこちらのほうがぜいたく。
食べ比べイベントで提供したマレーシアのパイナップルタルト。古川音作。(秋田カメラマン撮影)
「台湾の鳳梨酥とは食感も味も違う」「香港ではパイナップルタルトをほとんどみかけない」などなど、四カ国以外にも気持ちが飛んで行く。
「?」が「!」に変わり、さらにまた「?!」「??」。そんな瞬間が5分に1度は訪れるアジアごはんズの打ち合わせ。パイナップルタルトの探Qはまだまだ続く。
(高島系子)